第四十六射 弓矢に関するエトセトラ #1-9

「故事・物語」9

2月2日は節分でした。

豆まき、されましたか?恵方巻き、食べました?大豆は歳の数、食べましたか?

ところで、節分は年に4回あることを知ってました? 立春・立夏・立秋・立冬、それぞれの前日、つまり年4回の節分があるそうです。「節分」という字の通り「季節を分ける」という意味ですね。古来から日本人は、季節の変わり目は厄(やく・悪いもの)が憑きやすいと考えてきました。そこで厄を祓い、自分自身を清めるために行ったのが節分だそうです。

「追儺(ついな)」という行事があります。中国から伝わった行事で、大晦日に悪いものを追い払うものです。追儺が宮中行事として伝わったのは奈良時代です。もともとは大晦日に行われたものだそうです。これには新年を迎える準備の意味がありましたが、陰暦の正月は立春とも日が近いために、室町時代のころから、立春の前日の2月3日に行う節分が特に重要視されるようになりました。中国ではこの日に人に疫をもたらす鬼を追っ払って、来たるべき春に福を求める風俗がありました。「桃の弓に棘〔よもぎ〕の矢」を射て、五穀・小豆、ときに小石をも撒いたといいます。

これが現代日本で行われる豆まきの起源ともいわれています。

はじめは「追儺」と同じように、「桃弓・葦矢」を持った公卿〔くぎょう=上級貴族〕が大舎人〔おおとねり=宮中の雑役係の役人〕の扮する鬼を追うものでした。しかし、物の本によると、応永年間ごろに宮中で節分に豆を撒くことが始まっていたとのことです。豆をまいて鬼を追い払うというのは、古事記や民話にも見られますから、そのあたりからの引用ではないでしょうか。また、中国からの季節行事の輸入かもしれません。魔(ま)の目(め)に当てるから「ま・め」という語呂合わせもあります。

さて、やっと弓の話です。

前にも書いたように、追儺の時に桃の木で作った弓を使っていました。

桃は、中国では、仙木・仙果(神仙に力を与える樹木・果実の意)と呼ばれ、昔から邪気を祓い不老長寿を与える植物として親しまれています。

例えば、西遊記では、西王母が開く蟠桃会に供される不老不死の仙桃を主人公孫悟空が食べています。それによって孫悟空は不老不死になっていますし、理想郷のことを「桃源郷」とも言います。

日本でも『古事記』で、伊弉諸尊(いざなぎのみこと)が桃を投げつけることによって鬼女、黄泉醜女(よもつしこめ)を退散させています。伊弉諸尊はその功を称え、桃に大神実命(おおかむづみのみこと)の名を与えたといいます。

『桃太郎』は桃から生まれた男児が長じて鬼を退治する民話です。桃太郎侍は?モモタロスは?・・・・m(_ _);;m。

このように桃は神聖なもの邪気を祓うものとして扱われています。ですから桃で作られた弓矢を射ることは悪鬼除けの意味があるわけです。

また、3月3日の桃の節句は、桃の加護によって女児の健やかな成長を祈る行事です。この日に桃の花を杯に浮かべて飲めば、邪気を祓い、寿命を延ばすという信仰もありました。

少し(かなり)横道に逸れましたが、本題です。

弓は古代より神聖なものとして扱われていました(鳴弦の儀や弓取り式など) 。その弓を神聖な桃の木で作ることにより、その力を増幅させるという想いがあったのではないでしょうか。

参考HP

ピートのふしぎなガレージ

wikipedia

2019/02/14

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