星座の二回目は「射手座(Sagittarius)」です。
今の季節(7〜8月)9時頃南の空、比較的低い位置(30度。少し見上げる感じです。)に見ることが出来ます。
少し右へ目を移すと、大きなSの字の形をしたさそり座が見えます。
「射手座」には特別に明るい星はありませんが、この方向に銀河系の中心があるため星が多く、華やかで、にぎやかな星座です。
下を向いたひしゃくの形に星がならんでいるのが見えます。探すときの目印になります。下左図の赤い部分です。
多くの本では、この「ひしゃく」が目印となっているとありますが、管理人は下右図の「将棋の駒」(青い部分)が、目に付いてしょうがありません。
みなさんはいかがでしょうか?
はっきりと見えるのは上半身の部分で、下半身は暗い星が多いのと天の川にかかっているので星座図のようには見えないかもしれません。足りないところは想像力を膨らませて見てください。
射手座のモデルのケイロンといい、ケンタウロス族の一人です。
ケイロンの弓はさそり座の心臓(アンタレス)を狙っていると言われていますが、長い間狙っていたためか(疲れ?凭れ?)、少し的付け(狙い所)が下がってきています。
大丈夫? がんばれ! ケイロンさん。
さて、上でも書きましたが、この星座の中にある六つの星をつなぐとひしゃく型になります。これを「南斗六星」と言います。もちろん「北斗七星」に対してつけられたものでしょう。中国では「北斗七星」は死神、「南斗六星」は長寿の神と言われています。
何かを思い出しませんか?
そうです!「北斗の拳」ですね。相対する流派として「北斗」と「南斗」がありましたが、出典はこの辺りでしょうか。(未確認ですが・・・)
【神話】
射手座のモデルのケイロンの父親は時の神クロノス、母はニンフのフィリラ。神の子であるため不死性を備えていました。
クロノスが妻の目を逃れる為に馬に変身してフィリラに逢いにきたので半人半馬の姿で生まれました。(ゼウスもそうですがギリシアの神様は変身と不倫がお好き?)
本来ケンタウロス族は、短気で粗暴、好色な暴れ者。(身も蓋もない、言われようです。)戦いにおいてしばしば弓矢や槍、棍棒を使うと伝わっています。
また、ケンタウロス族にはもともと飲酒の習慣がなかったために、酒を飲むと粗暴な本性が出てしまい、あるときなどは招かれていた王の結婚式で花嫁を連れ去ろうとしたりもしました。(誰が飲ませたんや?!)
以上を見る限りでは、ひょっとしてものすごくいい人たち(?)だった様な感じも受けます・・・が。
そんなケンタウロス族のなかにあってケイロンは異質でした。
ケイロンは、アポロンやアルテミスから狩猟、医術、音楽、予言などの才能を与えられ、ペリオン山の洞穴に住み、薬草を栽培し多くの病人を助けました。
神話に出てくる多くの英雄たち(アルゴ舟で有名なイアソン、医者になったアスクレビオス、勇将アキレス、ヘラクレスなど)は、このケイロンに養われて育ち、それらを教えられたとされています。
のちにヘラクレスと他のケンタウロス族と戦ったとき、ケイロンは誤ってヘラクレスの放った毒矢にあたってしまいました。しかし、不死身であったケイロンは非常に苦しみましたが死にきれませんでした。(「不死身でも毒は効く。でも死ねない。」なんか中途半端な不死身ですね。)それを見かねたヘラクレスはゼウスに祈り、プロメテウスという巨人神に不死の能力を譲ることにしてもらい、死ぬことが出来ました。
その死を惜しんだゼウスはケイロンの姿を星にかたどり、射手座にしたといいます。
射手座の星座図は、たまにイケメンがありますが大半は、一番上の絵みたいな「ひげの生えたおじさん」ばっかり。
神話からすれば当たり前なのですが、そればかりじゃつまらないので、萌え射手座を描いていただきました。
ヘアスタイルも「ポニーテール」。
いかがでしょうか。
かわいくて、凛々しいですね。
この項、続きます。
2014/08/12