○破魔弓・破魔矢
写真.1
お正月らしく、破魔矢・破魔弓のお話です。
目的は同じ(魔・邪を破る・祓う)でしょうが、
(1)お正月の縁起物として神社で授与(頒布)され ている弓・矢・・・写真.1
(2)新築する家の上棟式などで鬼門の方角(北東) と裏鬼門の方角(南西)に向けて屋上に飾り付 ける二張りの弓矢・・・写真.2
(3)新生児の初節句に親戚や知人から魔除けと して贈る弓・矢・・・写真.3
があります。
今回のお話は(1)がメインです。
写真.2
《由来》
元は「はま弓」「はま矢」といって、宮廷や民間において,正月に射礼(じゃらい)として弓矢が使われたことに由来します。
〈はま〉というのは《貞丈雑記》によると、大和国(奈良県)吉野郡地方や土佐国(高知県)地方で正月に子どもが弓を射るときの的の穴、また、これを使った遊びをいいました。的は縄を巻いて直径1尺(30cm)ほどの輪をつくり,その中に差し渡し2~3寸(6~9cm)の穴をあけ、これを〈はま〉と称し、この〈はま〉を射るのが「はま(浜)弓」「はま(浜)矢」と言われていました。
現在ではこの〈はま〉に〈破魔〉の字を当てて、魔や邪を打ち破る縁起物として考えられています。
《飾り方》
飾り方はいろいろありますが、神様に感謝するという気持ちを忘れなければ問題無いそうです。
とは言え基本は、「頭よりも高い位置(神様を見下ろさないように)に凶の方向に矢のとがっているほうを向けて飾る」です。
ベストは神棚・床の間で、この場合はどんな方向でも良いのだそうです。
凶の方向はその年の干支によって決まっていて、次のとおりです。
ご参考までに。 写真.3
・子年…午の方角=南 (180度)
・丑年…未の方角=南南西微西(210度)
・寅年…申の方角=西南西微南(240度)
・卯年…酉の方角=西 (270度)
・辰年…戌の方角=西北西微北(300度)
・巳年…亥の方角=北北西微西(330度)
・午年…子の方角=北 (0度)
・未年…丑の方角=北北東微東(30度)
・申年…寅の方角=東北東微北(60度)
・酉年…卯の方角=東 (90度)
・戌年…辰の方角=東南東微南(120度)
・亥年…巳の方角=南南東微東(150度)
(角度は北を0度として時計回りに)
《お焚き上げ》(処分方法)
基本的に効果は一年(破魔矢(1)の場合)と言われていますので、次の年にいただいた神社にお返ししましょう。やむを得ない場合はお近くの神社へ。
破魔矢をいただいた神社に参詣すると境内に古いお札やお守り等を納める場所が設置してあると思いますので謝意を込めて、そこに納めてください。
所定の納める場所が無ければ、神社の方に申し出て納めてください。
(3)の破魔矢・破魔弓の場合
飾る時期は、12月初旬大安の日からから小正月(1月15日)ぐらいまでが一般的ですが、縁起物ですので1年を通して飾っておいても差し障りはありません。
飾る場所は床の間がベストですが、やむを得ない場合、子供部屋や人の目に多く触れる場所がいいでしょう。
こちらの方は、一生ものです。大切にお飾りしましょう。(1年ものも大切に!)
「親から譲られた弓矢(飾り)」というのも「有り」です。
破魔矢・破魔弓の写真(3)は「東昭齋秀月モリヤ人形店」さんのHPからお借りしました。
こちらには、選び方なども紹介されています。是非ご一覧を。
2014/01/08