第五十六射 弓矢に関するエトセトラ #12                  「ミュージアムに行ってみた」-3-2

宮崎県総合博物館 (宮崎市)  #2

今回も番外編です。

 

久しぶりに宮崎県総合博物館へ行ってきました。

ここには、それぞれの分野の専門家の方達がいらっしゃるので、分からない事があると時々ご教授を願い(迷惑をかけ)に行っています。今回は、金色(?)の繭の抜け殻を見つけたので同定をお願いしました。結果「クワコ(桑子)」の繭と教えていただきました。クワコは蚕の原種と言われ・・・・・おっと、弓の話です。

今、博物館では、MSEC(みやざきSDGs教育コンソーシアム)高校生 探求活動ポスター展が、開催されています。(12月18日〜1月31日)宮崎県下7校21作品が掲示されています。

 

そこで、弓矢に関する興味深い展示を目にしました。

宮崎西高校、坂本遥香さんの「那須与一は本当にすごい?-鏑矢の軌道を計算する-」です。

管理人は、こういうのは大好きですので、思わず見入ってしまいました。なお、「好き」なのと「分かる」は別の話です (○´◡ु`○)

皆さんご存知の、那須与一の扇の的。あの時の矢の軌道を計算で求めるという研究発表です。

 

ご許可をいただきましたので、このHPでご紹介いたします。じっくりとご覧ください。

野暮を承知で一言。

計算のもととなった弓の強度が11kg、13kg、15kgとなっています。ところが当時の弓は、三人張とか五人張といった強弓があったと言います。諸説ありますが三人張で60kg、五人張で100kg!。(源義経の弓が二十数キロで弱くて恥ずかしがっていたという話もあります。)もしそれであれば計算の結果からみて届く可能性が上がります。とはいえ届くだけでは中りません。 ましてや波打ち際から約10m海に踏み込んだ馬上からの射、風や波で揺れる小舟の上の竿の上というような不確定要素てんこ盛りの状態で扇の要(かなめ)を一射必中で射抜くためには、坂本さんが言及されているように子供の頃からの経験が大きくモノを言ったのではないでしょうか。まさに、那須与一の面目躍如の一射と言えます。

 

結論 那須与一は本当にすごい!

 

ところで、坂本さんは理系コースだけど進学は文系希望と伺いました。また、今回の研究は文芸(平家物語?)がきっかけだったそうです。となれば文理両道の二刀流。寺田寅彦、中谷宇吉郎、リチャード・P・ファインマン、マイケル・ファラデー、楠田枝里子のようにもなれるかも・・?

2022/01/21

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