いくら星に詳しくない人でも、「北斗七星」や「北極星」はご存知でしょう。
「北斗七星」はおおぐま座の「北極星」はこぐま座の一部です。
「北斗七星」「北極星」としての名前が大きすぎるので、星座としての形は影が薄く感じられます。
この北極星は、一晩中というか一日中(昼間は見えませんが)、ほぼ天の北極の位置にあります。「ほぼ」というのは、長時間シャッターを開けたカメラで撮影すると、小さな円を書いて回っているのがわかるからです。
あとちょっと(1万3千年)すれば今の北極星の位置に、織女星ベガがきます。その後また1万3000年待てば、今の北極星が元の位置に戻ってきます。
【神話】
アルテミスの侍女のニンフにカリストという美しく活発な娘がいました。この娘に一目惚れしたのがゼウス(懲りずにまたやっています)です。ゼウスはアルテミスに変身して(!)カリストに近づき、やがて2人の間にアルカスという男の子が生まれました。これを知ったゼウスの妻の女神ヘラは大変に怒り、カリストを毛深く声の低い、恐ろしい熊にしてしまい、ほめられていた口も顎に変えてしまいました。(嫉妬。当たり前ですよね。ても、ゼウスさんが浮気をするたびに、相手の女の子はヘラさんにひどい目に遭わされています。女の子からじゃなくゼウスさんがちょっかいを出したのにもかかわらず、女の子がひどい目に遭う。女性心理はよくわかりません。)
やがてアルカスは立派な狩人に成長しました。ある日アルカスは森の中で大きな熊に会いました。この熊が実は自分の母親であるカリストとはわかりません。立派に成長した我が子を見つけ、カリストは喜んで我が子アルカスに近寄ろうとしますが、アルカスは恐ろしいだけです。
ついにアルカスは弓矢を構え熊に向かって放とうとしました。これを見ていたゼウスは、さすがに心が痛み(自分の播いた種ですから当然でしょう)矢がカリストを射殺す前に、突風を起こして2人とも天にあげて星座としました。
天に引き上げるときに尻尾をつかんで引き上げたので、尻尾が長くなってしまいました。
母親カリストがおおぐま座、息子アルカスがこぐま座で、母は慕うように息子の周囲を回転しています。