宮崎県立西都原考古博物館は、特別史跡西都原古墳群の中にあります。
「南九州の自然と営み」「古墳時代前史」「前方後円墳の世界」「地下式横穴墓の世界」「考古学の世界」の六つのコーナーに分けられ、多くの出土品が展示されていて実際に触れることが出来るものもあります。
また、多くのビジュアルで歴史や古墳などの説明をしています。
1.弓矢関係の展示物
(1)鉄鏃・石鏃
発掘された数多くの鏃が展示されています。
中には直接触ることが出来るものもあります。小さいからって持って帰っちゃダメですよ。
大きな鉄鏃は、長さ15cm、幅3cm、厚さ5mmぐらい。重量もかなりありそう。破壊力はありそ うですが、どんな弓で何を射てたのでしょうか?
小さかろうが大きかろうが、射たれたくはありません。
(2)弓・矢
矢の複製品がいくつかありますが、出土品そのものの展示はありません。
弓や矢は、材質が木や竹なので腐食してなくなってしまうためだそうです。
縄文・弥生・古墳時代のものですので、さすがに保たないですね。
ただ遺跡によっては鉄弓がみつかったり、弓に塗った漆が蛇の抜け殻のような状態で残っている
ものもあるとのことでした。それによると長さは1.5〜2mぐらい。当時の身長は163cmぐらい
だったそうなので、バランスとしては現在とそれほど変わらない感じですね。ご参考までに。
実物がありませんでしたので、資料室にて調べ(て戴き)ました。
(3)弓を持った武人の像
これは発掘品ではありませんが、場の雰囲気造りにおいてあるそう です。
出自は不明です。
2.弓矢以外の展示物など
(1)館内には子持家形埴輪(左)・船形埴輪(右)(どちらも西都原の170号墳で発見され復元されましたが
本物は重要文化財に指定、東京国立博物館にあります)をはじめ、宮崎県内各地から出土した考古資
料など約300点が展示されています。
(2)一般的に入ることが出来ない収蔵庫は、やは り入ることは出来ませんが、ガラス越しに見
学できます。
収蔵庫の窓際でこちらを向いている髑髏はな かなかシュールです。
写真は、人骨専門の収蔵庫。
約600体分が保管されています。
宮崎県出土の人骨と鉄製品は、国内随一の質 と量だそうです。
(3)図書室には約三万冊の考古学専門書、歴史書等があり閲覧できます。
(4)展示物の説明文がユニークです。聞けばデザイン・文案ともに職員の方々の手作り!だそうです。
大河ドラマのような、一大叙事詩のような壮大な文学的な表現!(一部には分かりにくいとも言われ ていますが・・・^^);。
来館者のみなさんに言外の事柄を想像(創造?)して、古代への思いを膨らませて戴けたらとの思い
がこもっているとのことでした。
管理人の想像ですが、企画・立案・製作に携われた学芸員の方々はかなりのロマンティストではな かったのでしょうか?
(5)3階には喫茶ラウンジ「眺」があり、古墳群を見ながらのランチが楽しめます。ワンコインで美味 しい。ただし古代米だけは改善の余地あり(管理人独断)。ボリュームは若干控えめ。
(6)ミュージアムショップには他では見かけないガチャガチャがあります。(土偶・仏像・埴輪・兜・ 大判小判・金貨)
(7)別館の「古代生活体験館」では、勾玉・土器・石 器等の製作体験や火起こし、古代衣装を着ての記 念撮影などが体験できます。
(8) 館は、南北4.2km、東西2.6kmにわたって大小300基以上の古墳が点在する特別史跡西都原古墳 群の中にあります。それらの古墳の中には内部が見学できるものが4基あります。
博物館も含めて、西都原古墳群全体を、古代ロマンあふれる大きなミュージアムととらえて訪れる のも良いのではないでしょうか。
古墳群全景。高取山からの眺め
リンク:宮崎県立西都原考古博物館
2016/10/11
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